海水魚

【教えて下さい】 「キビナゴ」の食味評価 



キビナゴの握り(大家 正寿さん提供)

質問文

南日本では非常に親しまれている小魚ですね。 青森出身の私は大人になってからこの刺身を知り、長崎風の生姜醤油でも鹿児島風の酢味噌でも、たいへん美味しくいただいております。 他にもいろんな調理法で食べられている魚ですが、お住いの地域での食味評価を教えてください。 また、「見たことも食べたこともない」といった情報も、ご地域を添えて教えていただければ助かります。

★★★★★ 最高評価。文句なし。
★★★★  非常においしく食べられる魚
★★★   普通においしく食べられる魚
★★    食べられるが、味はまあまあ
★     あまりおすすめできない
▲     普通、食用としない                (2024年6月21日)

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上記の質問に対して、多くのコメントをいただくことができました。コメント者数は39、提示していただいた地域は36(重複あり)、★による評価数は30でした(集計は2024年6月30日)。

★の数

★★★★★       10 (33%)
★★★★        8 (27%)
★★★~★★★★    2 (7%)
★★★         6 (20%)
★★~★★★      1 (3%)
★★          2 (7%)
★           0 (0%)
▲           1 (3%)

★の平均は3.78、★3つ以上を合わせると87%と、これまでにないほどの高評価でした。★5つがもっとも多いというのも、注目される結果です。

調理法

複数回答となりますが、大体以下のようになりました。

生食系(刺身・寿司など):26
揚げ物(天ぷら・フライなど):15
焼き系(塩焼き・干物など):14
煮付け:7
南蛮漬け:5
酢締め:4
その他:7

キビナゴと九州

今回ご提示があった地域の3分の2が九州でした。他の地域では「食用にしない」「釣り餌としか見てない」といったコメントが散見されますが、九州勢による★評価は4を超えています。福岡・長崎では「煮干し」としての評価が高いのも注目です。

九州でも突出して多かったのが、鹿児島に関する事例でした。味噌汁の具としての利用法や、甑島の郷土料理「ぷう」のご紹介もしていただいております。

興味深いコメント

「長崎県壱岐市。 壱岐島。 ・・・昔、時期的にキビナ漁をしていました。 浅瀬の間を縫って潮流の変わり目の瞬間をめがけて集魚灯を焚いて、集まったところに刺し網を流し込むという、油断をしていたら浅瀬に挫傷する極めてスリリングな漁ですが。(笑) 」「煮干しに★★★★上げたいと思います。 私の中では、キビナゴの煮干しは、煮干しの中では最高です。  使い方にも依りますが、普通にウドン等のダシを採るならアゴほど甘くなくて澄み切った感じの上品なダシが採れます。  10センチ以下のキビナゴの煮干しを、指で軽く潰したりして頭と内臓を取り除きます。 そこまですると、もう、エクセレント。」「たまに、乾物屋や、地方のお店でキビナゴだけの煮干しを売っていることがありますね。  目についたら買うようにしているのですが、たまにしか見ません。」 :坂口博範氏からのコメント。

「福岡です たまに刺身を食べますが、見た目の割に味は弱く、⭐︎⭐︎ですかね。 そのため旨くない魚と舐めていたら煮干しの味は⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎でした。 味が落ちるのが恐ろしく早いのか、煮干しサイズの小型個体は味が強いのか不明ですが、博多うどんのごぼう天発祥店ではキビナゴの出汁も使用していたというのも納得です。 北九州風の糠味噌煮もよく知られていますかね。」:前田 洋氏からのコメント。

「★★★★★(鹿児島) キビナゴはすぐ鮮度が落ちてしまうのですが、5月に甑島で買ったやつは地元どれのぴかぴかでした。 塩焼きはお腹も出さずに、そのまま魚焼きグリルに並べて、塩をふるだけでいいので非常に手軽です。水に醤油、酒、みりん、生姜で、さっと煮にしたやつは、なぜか子どもの頃の土曜日の午後を思い出します。 炭火があれば、焼きながら醤油をたらす「ぶすぶす焼き」にすると、大変いい匂いがします。」:山出 潤一郎氏からのコメント。

「50年近く前、電車で大遠征したまだ橋の掛かる前の串本大島の巡航船が着いた大島港に何でも屋さんがあって、魚も売っていました。 餌用にと買ったキビナゴがあまりに新鮮でピカピカ光ってたので思わず手開きにして海で洗って食べたのを思い出します。 刺身、きずし、天ぷらと何でも美味しいですが、琥珀揚げがイチオシかな。 丸干しにした干物も美味しいです。」:深田吉宜氏からのコメント。

「亡くなった大正生まれの父はカツオ釣り餌に鹿児島の船がここ(五島近海)まで来よったと言ってました。 ★★★★★ 長崎県佐世保」「残った刺身を漬けにして茶漬けにするのが今です(酒呑むようになって)。 おすすめです。一番旨いと思ってます。」「身が薄いので半分を後乗せにしてます。火が通ったのと半生と二つの味が楽しめますよ。今は大葉も乗せると涼しいですよ。」:川畑敏則氏からのコメント。

「鹿児島県枕崎市です 呼び名はキンザコ やはり刺身ですかね キラキラ美しい身が映えます 淡白な魚でそれ自体の味はあまりなく、魚の食感に酢味噌の旨味を乗せて味わう感じです 一番のおすすめは天ぷらでしょう 上品な白身魚の味です 塩焼きも美味い 焼酎のつまみに最高 意外にも味噌汁もいけます 細長く切ったダイコンと一緒にどうぞ 口に入れたキビナゴの頭を箸で掴んで骨を引き抜く作業も楽しい 子どもの頃の懐しい味です その他醤油で甘辛く煮たり、酢の物にしたり 鹿児島では代表的なふるさとの味ですね」:久保政士氏からのコメント。

「料理は何にでも向く魚。刺身、素焼きに醤油をかける。塩焼き、煮付け、フライ。小麦粉を付けて揚げて南蛮漬け、でん粉を付けて唐揚げ、軽く塩を振り、酒を振りかけて干す。開いてマリネやカルパッチョ等 唐揚げや天ぷらフライは内臓も頭も食べられます。刺身で取り除いた骨は素揚げにして、ほねせんべい。歩留まりも よく安価で、利用価値の高い魚です。」:篠原雅伸氏からのコメント。

「鹿児島の長島ではキンナゴと呼びます。 採れたては、おびく(手で中骨とワタを出す)ことはできません。 そのままわさび醤油で丸かじり(頭は食べない)か一番美味しいと思います。 あとは、塩振って網焼き、なますに入れても美味しいです。」:平澤洋幸氏からのコメント。

「ぷうは、甑島の郷土料理です、湯を沸かし、塩、唐辛子を入れ、キビナゴ投入、プウッと浮いてきたら食べます、煮るのではないので、食べるぶんだけその都度入れて食べます😄」:畠中耕太郎氏からのコメント。

コメントしていただいた方々(Facebookにおける登録名そのまま、順不同)
木下潤一さま、田中 ミエさま、津田 博朗さま、嶋田 春幸さま、福畑 敏光さま、森山 達也さま、坂口博範さま、小松 鉄平さま、大西 隆仁さま、前田 洋さま、山出 潤一郎さま、こが まさゆきさま、前田雅通さま、Yoichi Kadotaさま、弓場 幸平さま、田中 一嘉さま、室橋繁さま、松生 世紀さま、深田吉宜さま、川畑敏則さま、寺井祐二さま、大家 正寿さま、坪井 安男さま、中尾 史仁さま、久保政士さま、篠原雅伸さま、髙田 一人さま、橋元力さま、下原 誠明さま、岡本 修司さま、Watanabe Katsumaさま、田中圭さま、平澤洋幸さま、石澤 裕さま、Kikushima Masahikoさま、畠中耕太郎さま、末廣 孝一さま、河野 洋一さま

投稿者 土岐耕司 

原文作成日 2024年6月30日

※このページの情報は、Facebookグループ『WEB魚図鑑の部屋』に寄せられたコメントを基にまとめたものです。

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