ヒゲソリダイの頭の煮付け(田中 一嘉さん提供)
質問文
私としては、食べたことも出会ったこともない魚ですが、このグループではしばしば投稿される魚でもあり、そこそこ食味評価も高かったように記憶しています。 分布は広いようですが、メジャーとまでは言えない魚ではないのかな、って感じています。
食味・調理法だけでなく、地方名や雑学なんかも、気軽にお寄せください。以下の評価方法でコメントいただければと思います。5段階評価は以下のような感じです。
★★★★★ 最高評価。文句なし。
★★★★ 非常においしく食べられる魚
★★★ 普通においしく食べられる魚
★★ 食べられるが、味はまあまあ
★ あまりおすすめできない
▲ 普通、食用としない (2025年1月15日)
必ずしもメジャーな魚ではないでしょうから、寄せられたコメントが少なかったのは納得できます。コメント者数は13、提示していただいた地域は9、★による評価数は6でした(集計は2025年1月25日)。
★の数
★★★★★ 3 (50%)
★★★★★~★★★★ 1 (17%)
★★★★ 2 (33%)
評価数は少ないですが、寄せられた★評価の平均は4.58、突出して高い値をたたき出しました。コメ者の少なさも合わせると、知る人ぞ知るという魚のようにも見えるのですが、地方名視点からすると、安易にそうとも言えない気になりました。
調理方法
生食でも良し、煮ても焼いても良し、のようです。
ヒゲソリダイのお造り(池藤宏治さん提供)
ヒゲソリダイの煮付け(池藤宏治さん提供)
他種との混同
地域における呼び名について、同属(ヒゲダイ属)だけでなく、コロダイ・コショウダイとの混同がみられました。食味についてもコロダイとの比較に言及するコメントもあり、これらは非常に興味深いことだと感じました。
「ヒゲソリは脂がもったりしてるのに重たくない むっちゃ脂乗ったメイチさらにまとめ上げたような 見た目とは裏腹な魚やはり刺身がピカイチ 握りも好きです タモリって呼ばれてるの聞いたことあるけど 多分関西?の方ではタモリって呼ばれてると思います 福岡では ヒゲソリのままです」:木下潤一氏からのコメント。
「私は地元は福岡市で、広島で単身赴任2年目です。こちらでは、福岡では見かけない「タモリ」と呼ばれる魚が大切にされていて、煮付け、塩焼きなどにすると大変美味しいです。たしかにシルエットはヒゲソリダイににていますが、タモリはヒゲソリダイに比べてかなり小ぶりで、かつ、黄色と白、黒のぼんやりとした縞模様があります。タモリの別の地方名は、コロダイで、標準和名はセトダイ。でも、博多で「筑前煮」と呼ぶ料理がないのと同じで、こちらでセトダイとは呼ばないですよね。 ちなみに、私は福岡でヒゲソリダイをかなりの回数食べたことがありますが、白身なのに脂がのり、さしみ、塩焼き、煮付け、全て美味しいです。ごくたまに、刺身でたべると舌が痺れる感じがする個体がありますが、原因はわかりません。狙って漁獲できる魚ではないので、出会ったら食べるべき魚だと思います。」:和田金也氏からのコメント。
「和歌山ではヒゲダイとともにタモリと言って珍重します。時々、大量に水揚げされることもあります。」「セトダイはほとんど獲れないので、特に呼び名は無いです。」:田中圭氏からのコメント。
「コショウダイ似てますが 身質はヒゲソリが上かな。 キメが細かくて。」:佐藤厚氏からのコメント。
「香川県では 髭剃りですね 四国の一部地域で タモリと呼ぶ場所もあるみたいです。 徳島県だったと思います。」:高平康史氏からのコメント。
「・・・こちらでは タモリもかなり漁獲があるので 普通にスーパーではタモリ しかし、ヒゲソリダイは コロダイもコショウダイもヒゲソリダイも 市場ではコロダイになって 表示もスーパーではコロダイに なってるとこが多いですね 違うのに😅」「あっ、広島の福山です😃」:池藤宏治氏からのコメント。
「2020年11月末に東京の角上魚類で新潟産の「カヤカリ」の名前で売られていたのを買いました。 調べたら新潟や山形辺りではヒゲソリダイのことを「カヤカリ」「カヤガリ」と呼ぶようでした。(ヒゲダイやコショウダイのことも「カヤカリ」と呼ぶことがあるようです)」「ぼうずコンニャクさんの「市場魚介類図鑑」によると「秋の茅を刈る頃にたくさんとれて美味しくなる」という意味らしいです。」:Takeshi Katagiri氏からのコメント。
売り場に並ぶ「カヤカリ」(Takeshi Katagiriさん提供)
上記を整理してみると、
・広島県では、ヒゲソリダイのことを「タモリ」とは呼ばない。「タモリ」はあくまでもセトダイのことであるが、ヒゲソリダイ・セトダイ・コロダイ・コショウダイを「コロダイ」と呼ぶことがある。
・和歌山県では、ヒゲダイ・ヒゲソリダイの両方を「タモリ」と呼ぶ。
・徳島県では、ヒゲソリダイのことを「タモリ」と呼ぶ。
・新潟県~山形県では、ヒゲダイ・ヒゲソリダイ・コショウダイの呼び名が混同されている。
という感じになりますかね。なかなか一筋縄ではいかないようです。
コメントしていただいた方々(Facebookにおける登録名そのまま、順不同)
木下潤一さま、和田金也さま、田中 一嘉さま、田中圭さま、佐藤厚さま、高平康史さま、池藤宏治さま、Takeshi Katagiriさま、前田雅通さま、Kengo Kitamotoさま、井出 久司さま、西尾公彦さま、Ono Satoruさま
投稿者 土岐耕司
原文作成日 2025年1月26日
※このページの情報は、Facebookグループ『WEB魚図鑑の部屋』に寄せられたコメントを基にまとめたものです。