海水魚

【教えて下さい】「ニシン」の食味評価 


ニシンのお造り(池藤宏治さん提供)

質問文

青森出身の私は、幼少の頃からニシンの塩焼きをよく供されてきました。 なので、思春期ごろには「ニシン嫌い」になっておりましたが、30歳前後にはとても美味い魚であると思うようになりました。
サケ・チョウザメ・スケソウダラと並んで卵巣が珍重される魚なので、その意味では数奇な運命をたどった魚でもあるのかな、と感じております。 また「ニシンそば」のように、産地外であっても愛されている存在でもあります。 そんな「ニシン」についての食味評価について、皆さんのご知見を寄せていただければと思います。
なお、あくまでもニシンそのものの食味評価ですので、特に関連がない限り、「数の子」だけについての食味評価は不要です。

以下の評価方法でコメントいただければと思います。5段階評価は以下のような感じです。

★★★★★ 最高評価。文句なし。
★★★★  非常においしく食べられる魚
★★★   普通においしく食べられる魚
★★    食べられるが、味はまあまあ
★     あまりおすすめできない
▲     普通、食用としない                (2025年2月9日)

上記質問に対するコメント者数は34、提示していただいた地域は40(重複あり)、★による評価数は26でした(集計は2025年2月27日)。今回は、海外における事例・知見が目立ちました。

★の数

★★★★★       10 (38%)
★★★★           9 (35%)
★★★★~★★★  1 (4%)
★★★       3 (12%)
★★        1 (4%)
★         2 (8%)

寄せられた★評価の平均は3.94と、かなり高いものでした。★4以上が7割を超えており、★2以下のについても鮮度や時期について言及されている場合でしたので、非常に美味しい魚であると評価して良いのではないかと思いました。

調理・加工方法

大別すると、①刺身、②焼き、③身欠きニシン(ニシンそばを含む)、④酢漬け(海外を含む)、⑤缶詰(海外を含む)、といった感じになりました。①・②は産地近くから、ニシンそばは関西、④・⑤は北欧が多い、といった特徴がありました。

時期によって

「北海道日本海側です 調理法は焼物or刺身 秋頃に沖合底引きで取れる腹の入っていないニシンは非常に脂が乗っていて美味しいです 星5つです 今時期〜4月に沿岸で取れる腹の入っているニシンは脂も少なく美味しくありません 星2つ程度と評価します 取れる時期、場所で味が非常に変化します」「卵巣が無い時期のニシンは脂のり良く美味しいです」:Kihoumaru Tomohiro氏からのコメント。

「一般的にはこれから〜4月がニシンのシーズンですよ、数の子が入っている為です。」「脂の乗った身が食べたい時は10~11月頃が宜しいかと思います」:石黒 淳氏からのコメント。

「山形県新庄市では毎年春にカド焼き大会があります。ニシンを塩焼きにして食べます。 山形県でニシンのことをカドとも呼びます。」:今田慎一朗氏からのコメント。

ニシンそば

「兵庫県です。子供の頃は食べた記憶が殆どありません。缶詰くらいかな。最初の記憶は大人になってから祇園で食べたニシン蕎麦ですね。甘辛く濃い目の味なので、ニシン自体の味はよく分かりませんが、ニシン蕎麦は好きで京都へ行くたびによく食べました。」「ニシン蕎麦に関しては、関西人だと京都名物と聞かれて思い当たる内の一つじゃないかと思います。水炊き、おたべ、ニシン蕎麦(笑)」:Kengo Kitamoto氏からのコメント。

「ニシンそば大好きですがソレ以外に触れる機会がほぼありません、」「私は大阪です。関西ではよくあるものと思いました。」:辻村 洋介氏からのコメント。

「大阪です 鰊がマルの生で手に入る地域ではないいので 新鮮なマルのままを塩焼等で食べたことは恐らく未経験で 評価についてはよーしませんけど 京都には全国的に有名な鰊そばの銘店があります 食べず嫌いで、あんなの年寄りが食べるもんやろ、と思っていましたが 鰊そばデヴューは恐らく30過ぎてからだったかと思いますが 番茶で炊かれた身欠きニシンの少し甘いテイストに絡む関西出汁、 噛めば噛むほど旨味が口の中に広がる棒鱈とにた噛み味は最高で 今までどうしてこんなに旨いモノを知らなかったのか? と大変後悔しております」:宮嵜 直樹氏からのコメント。

ヨーロッパの塩漬け・酢漬け文化

「ドイツの北の方に住んでいましたので、現地ではソウルフードでした。軽く塩漬けにしたニシンのフィレを発酵させたものに玉葱🧅を刻んで、そのまま食べるか、パンに挟んで食べていましたが、わたしにはやや生臭く、塩分過多であまり好きではありませんでした。 酢に漬けたものもありますが、やはりイマイチ。 身欠ニシンを炙ったのがいちばん美味しいと思います。」:大澤 建氏からのコメント。

「コペンハーゲンの街中にある軽食屋には、必ずと言って良いほど、この酢漬け瓶が立ち並んでますよね^_^」「オランダやデンマーク、ノルウェーでも塩漬けニシンを頂きましたが、仰せのとおり、少し生臭いので、ケパーやピクルス、カルダモン等の香辛料を入れて食べると美味しいですよね。」:磯貝 龍太氏からのコメント。

「北太平洋(露、米加、日)だけでなく北大西洋にも、オランダ以北のほとんどのヨーロッパの人々にはなくてなならない魚。酢漬(マリネ)のレシピーはたくさんあります。北欧のホテルの朝食には必需品。旨いです。 」:三橋 平典氏からのコメント。

「ヨーロッパに行った際は、オランダだと空港で「ハーリング」という『酢漬けニシンの載った黒パンのオーブンサンド』はよく見掛けました」:田中 一嘉氏からのコメント。

そして、「シュールストレミング」

「思い出したのはシュールストレミングですね。 これはとても美味しかったです。 忘年会でバーベキューした際に持ち込んだんですが、参加者に意外と好評でした。 普通生でサンドイッチにして食べるそうですが、焼いたらより美味しく食べれました(匂いは増しましたが)。 残りを釣り針につけてぶっ込んだら、マアナゴがやたら釣れたのもいい思い出です。」:下原 誠明氏からのコメント。


シュールストレミングの外観(下原 誠明さん提供)

「以前に河原でスウェーデンの世界一臭い缶詰め『シュールストレミング』も開けた経験が有ります(以前に開催した「くさいもの祭」) 北欧方面ではよく食べるみたいですね、ニシン」「水を入れた容器の中で開缶するとガスで汁気が飛び散りません(現地式の開缶方法) 更に、中骨を取り、玉ネギ等の野菜やサワークリームと黒パンに載せて食べると割と美味しかったです」:田中 一嘉氏からのコメント。


開封したところ(田中 一嘉さん提供)

「シュールストレミングも強烈な匂いと塩味ですが、食べ慣れると、癖になります。私は、日本ではあまりお目にかからない、かなり酸味が効いて、饐えた臭いのする黒パンにバターを塗って、カルダモンとケッパー、ピクルス、タマネギスライス、トマトスライスに、シュールストレミングを挟み、アクアビットで流し込むのが好きです😊」:磯貝 龍太氏からのコメント。

「あの膨らんだ缶詰ですが、勇気を奮って口にしたことがあります。 強烈なアンモニア臭に慣れてくると確かに発酵アミノ酸系の旨味が感じられますね。 YouTube などで見るのはウケを狙った過剰演技だと思います^_^」:大澤 建氏からのコメント。

ニシンを「バッテラ」に!?

「秋に獲れた新鮮なニシンはバッテラにして食べますが、篦棒に美味いですね^_^」「実は贔屓にしているお寿司屋さんの板長から直伝で教えて貰った調理法です。鯖のバッテラと基本的には作り方は同じなのですが、骨断ちするので、酢の入れ具合が鯖とは異なるので、結構、失敗しました^_^; 酢漬けにするので、骨断ちは敢えて行わなくても良いのですが、やはり骨断ちの手間を入れると、食べやすくなるのと酢が早く入って骨断ちした小骨が口に当たらなくなります。逆に骨断ちすると酢の入り具合が早くなってしまうので、酢の量と寝かせる時間が決め手となります。 未だ、数回に一回は失敗します^_^;」:磯貝 龍太氏からのコメント。

コメントしていただいた方々(Facebookにおける登録名そのまま、順不同)
Kihoumaru Tomohiroさま、石黒 淳さま、三島 学さま、磯貝 龍太さま、梶原 正さま、松﨑 圭佑さま、Kengo Kitamotoさま、嶋田 春幸さま、小川馨さま、大澤 建さま、加藤 昇太さま、横山保英さま、Taro Washidaさま、今田慎一朗さま、Doumyouzi Ruiさま、円山正春さま、辻村 洋介さま、山出 潤一郎さま、直井 育夫さま、マークス 神戸さま、橋本俊彦さま、末廣 孝一さま、結城 一彦さま、三橋 平典さま、下原 誠明さま、藤井 江治さま、田中圭さま、田中 一嘉さま、深田吉宜さま、宮嵜 直樹さま、中西 啓二さま、坂下 光洋さま、小楠弘晃さま、池藤宏治さま

投稿者 土岐耕司 

原文作成日 2025年2月28日

※このページの情報は、Facebookグループ『WEB魚図鑑の部屋』に寄せられたコメントを基にまとめたものです。

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