画像:WEB魚図鑑より(海猿さん撮影)
寄せられた地方名
シュモク 三重県南伊勢町、和歌山県、熊本県水俣市、鹿児島県薩摩
カセ・カセブカ 南紀地方、宮崎県
オカッツアンワニ※ 島根県
カンカンブカ※ 長崎県雲仙市
チョウノブカ 熊本県水俣市
フカ 広島県福山市(サメ類の総称として)
※「島根県ではオカッツアンワニと呼んでいたようです。女性のつける髪留めに頭の形状が似ていることから来たようで、神の使いとして縁起のいい生き物とされていたそうです。」:黒木健介氏からのコメント。
※「カンカンは浮流(郷土芸能の)の鐘をたたく 木槌のことです。 木槌みたいなサメ(フカ)と言う意味です。 ハンマーヘッドシャークと 同じ発想ですね。」:佐藤厚氏からのコメント。
ハンマー類を再確認
国内外で「ハンマーヘッドシャーク」とも呼ばれていることは、皆さんもご存じかと思います。「撞木(しゅもく)」というのも、大括りでの形状・用途はハンマーと同じです。日本語には他にも、「トンカチ」「カナヅチ」「ゲンノウ」なんてものがありますが、シュモクザメの呼び名のなかに「トンカチブカ」みたいなものがなかったのが少し不思議です。
ネットで調べてみたところ、この類の道具は以下のように分類できることが分かりました。
槌(つち)=ハンマー
①木槌・・・「撞木」は木製だから、このなかに含まれる?
②金槌=トンカチ・・・このなかの1つとして「玄能(げんのう)」がある。
ちなみに、「トンカチ」は作業時に発せられる音から生まれた呼び名のようで、雲仙市の「カンカン」と同じ発想のようです。また、金槌類には左右対称にならないものが多いことが、シュモクザメの呼び名に採用されなかった理由なのかも、と思いました。
https://act-kougu.com/column/geno/ (2023/8/9閲覧)
「カセ」について
南紀および宮崎県から「カセ」という呼び名が寄せられました。
「頭の形状が足枷に似ていることから来ているようです。」:黒木健介氏からのコメント。
枷(かせ)と言われて思い浮かべることができるのは、「手枷(てかせ)」「足枷(あしかせ)」「首枷(くびかせ)」くらいでしょうか。これらについて、改めてネット画像を確認してみました。まず、「手枷」と「足枷」は、手首・足首を巻くように取り付け、そこから伸びた鎖に重しがつながっている感じで、シュモクザメの形状をすんなりと想起させるものではありませんでした。「首枷」にもそれに似たものはありますが、首と手首を一緒に挟む板状タイプも見つけました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1054278690 (2023/8/9閲覧)
「チョウノ」について
水俣からは「チョウノブカ」という呼び名が寄せられました。由来は不明とのことでしたが、私は「手斧」ではないかと思いました。「手斧」は「ておの」「ちょうな」と読みますが、「ちょうの」「ちょんの」とも読む場合があるようです。
https://proverb-encyclopedia.com/two/cyouna-teono/ (2023/8/9閲覧)
手斧にはいろんな形状があるのですが、残念なのは片側にしか刃がないこと。両側に刃があって左右対称であれば、私の「手斧」説にも説得力が出てくるのですが。皆さんはどう思われますか?
これまた美味しい魚のようです
「話題からそれますが伊豆大島でシュモクザメのバターソテーをいただきました。目が飛び出るほど美味しかったです。サメの中ではかなり美味な種類との事でした。」:Masahiko Takahashi氏からのコメント。
「串木野漁協出入りの魚屋さんの指宿さんのコメント 「こよ釣っこんや。(これを釣ってこいよ)」 美味しいからだそうです」:坪内茂氏からのコメント(筆者による加工あり)。
コメントしていただいた方々(Facebookにおける登録名そのまま、順不同)
谷本頼保さま、佐藤厚さま、田中圭さま、黒木健介さま、Masahiko Takahashiさま、田中 一嘉さま、深田吉宜さま、嶋田 春幸さま、坪内茂さま、大澤風季さま、小西 英二さま 投稿者 土岐耕司 原文作成日 2023年8月9日 ※このページの情報は、Facebookグループ『WEB魚図鑑の部屋』に寄せられたコメントを基にまとめたものです。 WEB魚図鑑 シロシュモクザメ https://zukan.com/fish/internal412