画像:WEB魚図鑑より(MARI-Jさん撮影)
寄せられた地方名
大別すると、①キツ・シツ・ヒツ系、②ウンコ系、③その他となるようです。①の語源が何なのかよく分かりませんが、かなり広い地域で共通している呼び名なので、その由来は古そうな感じがします。
①キツ・シツ・ヒツ系
キッツオ(和歌山県、小さいもの)、キツ(高知県)、ヒチクロ・シチクロ(長崎県五島市福江島)、ヒッツ(熊本県天草・水俣市)、シツオ(宮崎県、鹿児島県屋久島)、ヒツオ(鹿児島県種子島)、シツ(鹿児島県口永良部島)、シチ(鹿児島県奄美)、シツウ(鹿児島県喜界島)
②ウンコ系
ババ・ババンチョ(静岡県西伊豆)、ババタレ(和歌山県、小さいもの)、ババタレ(高知県、大分県、鹿児島県離島)、クソタレ・ヒッカブイ(鹿児島県)、ババグロ(鹿児島県離島)、ババユー(鹿児島県喜界島)、バベ・バビャ(沖縄県宮古島)、ババ(沖縄県伊良部島)
③その他
ササヨ(伊豆諸島・小笠原諸島)、スモトリ(三重県尾鷲市)、イズスミ(三重県紀南、和歌山県串本市)、タッカブッ・ヒックレ・ヒロクチ(長崎県五島)、マンガラ(鹿児島県徳之島)、マット(沖縄県本島)
④「イスズミ」と呼んでいることが確認されたところ
兵庫県西宮市、福岡県
食味の評価
「夏場は臭いが冬は美味しい」というコメントが多かったです(三重県尾鷲市、高知県東部、福岡県、鹿児島県種子島)。このコメントの分布は広いので、かなり信憑性は高いです。糞の臭いが移るというご意見もあったので、イスズミは季節によって食性が違うのかもしれません。
食べ方として、生姜いれてツミレやサンガ焼き(東京都小笠原)、「たきたき」というすき焼きみたいな料理(和歌山県)、大型を焼き切り・タタキ(高知県足摺界隈)、刺身一切れに海苔を巻き付けわさび醤油で(福岡県)、味噌煮(長崎県五島市福江島山間部)、南蛮漬け(熊本県天草)、刺身にして黒酢に醤油・唐辛子(鹿児島南さつま市)、甘塩で一夜干し(鹿児島県種子島)というのがありました。食資源としては、十分に将来性がありそうです。
テンジクイサキ・ノトイスズミとの区別
ほとんどの方が同属他種との区別はしていませんでした。唯一注目されるのが、以下でした。
「伊豆大島の友人はテンジクイサキを「キンシチ(金七)」。また伊豆諸島の一部ではノトイスズミの腸を「フギ」と言って好んで食べるところもあります。」:足立 勝也氏コメントより。
コメントしていただいた方々(Facebookにおける登録名そのまま、順不同)
桑野 顕さま、中尾 史仁さま、田中圭さま、足立 勝也さま、浦門英徳さま、井上正一郎さま、Hiromu Horiguchiさま、赤峰 竜也さま、仲 卓哉さま、和田 俊章さま、木村 慎明さま、坂巻 健太さま、高橋 大さま、信幸下入佐さま、白川周一さま、加藤 トシヤさま、織田 将士さま、浅利三智也さま、日高 秀一さま、Kengo Kitamotoさま、山田重行さま、溝上淳二さま、重光陽一郎さま、大澤風季さま、宮川清さま、下原 誠明さま、にしおか たかのりさま、伊禮門 卓さま、Tsuguaki Babaさま、松元 健治さま、伊良皆 利明さま、松永 康裕さま 投稿者 土岐耕司 原文作成日 2021年11月9日 内容更新日 2024年1月21日 ※このページの情報は、Facebookグループ『WEB魚図鑑の部屋』に寄せられたコメントを基にまとめたものです。 WEB魚図鑑 イスズミ https://zukan.com/fish/internal366