海水魚

【カンパチ】その魚名を考える


画像:WEB魚図鑑より(ぷいぷいユッケさん撮影)

コメントの傾向

今回は、成魚よりも幼魚(という表現が多かった)についてのコメントが多かった、という傾向がありました。太田 政伸氏のご指摘にもありますが、幼魚の定義が地域や個人によってバラバラであり、特に釣り人はなかなか出世させてくれない傾向が強いです(「意地悪な上司問題」と勝手に命名しました)。ある程度大きな個体であるにもかかわらず「幼魚」と表現するのも少し躊躇されましたので、ここでは「若魚」と呼ぶことにしておきます。

※「小さいのはネイリ。大きいのはカンパチ。問題はどこで線を引くか… 釣り人は大きいの釣って鼻が広がってても「いやいや、こんなんまだまだネイリですよ」と無駄な謙遜をし、魚屋は30センチぐらいでもカンパチ。まぁそれは正解なんだけど「八」の字が黒々してるようなのはネイリでしょ?やっぱ。私の感覚では5キロを超えてきたらカンパチ!でもオフショアな方に言わせると8キロ超えないと恥ずかしいみたい… もう!意地っ張りナンダカラ…」:太田 政伸氏コメントより。

大きさによる分類

ひとまず、①若魚(幼魚を含む)、②成魚、③大型というふうに分けてみます。分け方が厳密な場合とそうでない場合があり、各々に重なりもみられます。

①若魚

ショゴ(岩手県、関東地方、三宅島)、ショッパチ(伊豆大島)、ショガンパ(伊豆諸島新島)、ヒラバタケ(富山県)、シオ(三重県、大阪府、和歌山県、兵庫県神戸市)、ハチゴ(三重県志摩市)、アカバナ(島根県益田市、山口県下関市)、ネイリ(高知県、愛媛県)、ネリゴ(島根県益田市、山口県下関市、東九州、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県)、モジャコ(熊本県水俣市)、ニリ(宮崎県)

②成魚

カンパチ(長野県松本市、富山県、三重県、大阪府、和歌山県和歌山市、兵庫県神戸市、島根県益田市、山口県下関市、高知県、愛媛県、熊本県水俣市、鹿児島県)
カンパ(伊豆諸島新島)、ダイリキ(京都府)、ネイリ(高知県)、ネリ(島根県益田市、山口県下関市)、アカバナ(長崎県)、アカバ(熊本県天草)、ウキムルー・ウチムルー(沖縄県)

③大型

アカブリ(伊豆諸島新島)、ソジ(高知県土佐清水市)、ソウジ(宮崎県)、アカバラ(鹿児島県屋久島・喜界島)

「赤い」ということ

カンパチが「赤い」かと言われるとそうでもない気もしますが、うっすら琥珀色を湛えている様から「アカ」を接頭する呼び名が多いようです。台湾では「紅魽・紅甘」、英名でも「Amberjack」「Amber」と呼ぶところからしても、日本以外でもこのように認識されているようですね。

ヒレナガカンパチとの区別

カンパチとヒレナガカンパチ、この両者の区別が明瞭な地域もあれば、区別をしていない地域もありました。呼び名の区別が明瞭なところでは、その評価もはっきりしています。なので、次回はヒレナガカンパチの呼び名を募集してみようと思いました。

コメントしていただいた方々(Facebookにおける登録名そのまま、順不同)
藤本慎央さま、流石康一さま、和田 俊章さま、知場俊治さま、下原 誠明さま、岡村 岳尚さま、松岡 豊さま、中尾 史仁さま、Takeshi Katagiriさま、寺井祐二さま、佐藤厚さま、副嶋大輔さま、センチョウ 成田さま、宮嵜 直樹さま、山本 眞司さま、福畑 敏光さま、藤川 裕樹さま、吉田 直樹さま、飯嶋 修さま、由岐 直久さま、伊藤 秀明さま、大澤風季さま、倉科 謙二さま、詹松岳さま、山田重行さま、Nakajima Kentaさま、日高 秀一さま、松山 喬平さま、村上 勇太さま、小林 雅人さま、太田 政伸さま、日野林 壮健司さま、平賀 悠史さま、濱口久貴さま、坪内茂さま、井上正一郎さま、與儀明文さま、嶋田 春幸さま、間所 幸一さま、Yoichi Kadotaさま、阿波島賢充さま、深田吉宜さま、宮川清さま、高月 陽生さま、Yoshinori Toyamaさま、西村 善彦さま、上田 俊郎さま、町田 賀法さま

投稿者 土岐耕司

原文作成日 2021年10月31日

※このページの情報は、Facebookグループ『WEB魚図鑑の部屋』に寄せられたコメントを基にまとめたものです。

WEB魚図鑑 カンパチ
https://zukan.com/fish/internal4

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